TEAM G-SHOCKJAPAN 内野洋平 / プロBMXライダー Yohei
Uchino

We are creating our scene without following someone's path.

「敷いてあるレールを進むのではなく、自分たちでシーンを作っていく」―内野洋平

圧倒的なスキルで世界のBMX FLATLANDシーンを牽引していると言っても過言ではないウッチーこと内野洋平。日本・世界大会ともに優勝経験を多数持つだけでなく、世界中のライダーがフォロワーとなるほどのオリジナルトリックも多数編み出しているのだ。さらにCMやミュージックビデオ、ブランドディレクターなど、BMXというカルチャーを他ジャンルの垣根を越えて拡大し続けるイノベイターでもある。毎年世界の異なる開催地で3戦行い、世界チャンピオンを決めるBMXワールドサーキットの第1戦を見事優勝して帰国したばかりの内野洋平に話を聞いた。

——BMXを始めたきっかけは?

神戸のスポーツが強い高校だったのですが、その時によくつるんだ仲間がいたんです。みんなバラバラのクラブに入っていたんですが、ある時、このなかで自分たちがやっていない競技で一番を決めようという話になって、話し合いの結果、スケボーにしようと。それで神戸のメリケンパークで、スケボーの大会があるという情報を聞いてみんなで行ったら、実際はBMXフラットランドの大会だったんです(笑)。でもそれを見て全員、「これはヤバい!カッコいい」って。それでみんなでBMXを買って乗り始めたのがきっかけです。勘違いから始まったんですね(笑)。

——フラットランドの魅力とはどこですか?

もう12年乗り続けているけど、まだシーン自体がメジャーなものとして完成されていないことだと思います。例えば、日本一になったら次はメジャーリーグに行く、みたいなものはフラットランドにはない。だからいろいろ考えて、自分たちで工夫して仕事を生み出したりできる。無理を承知で話をしてみた企業が、意外に乗り気でスポンサーについてくれたりとか。最初から敷いてあるレールを進むわけじゃなくて、考えながら自分たちで線路を増やしてシーンを作っていける。それがほんとうに楽しいんです。その線路を利用して若手を導くこともできるし。若い子たちはその線路の途中まで来て、また分岐して新しく線路を敷いていけば、さらに広がりますしね。

——トリックを生み出すときの苦労を教えてください。

前輪を使ったフロントトリックで、23歳のときに日本一になることができました。そのままの勢いで海外に出て、世界戦に出場したんですが、圧倒的な技術の差でボコボコにされて(笑)。このままでは通用しないと考えて、2年間コンテストには一切出ずに練習に励みました。そして、魅せるスタイルをとことん追求して、ダイナミックな技を繰り出すことができる、いまのリアトリックにたどりつきました。

——オリジナルのトリックを生み出すためのモチベーションは?

先ほどの話の延長ですが、2005年に海外で叩きのめされた感覚、つまり歯が立たない絶望感や、緊張して足が動かない感じをずっと覚えていることですね。いつかぜったい見返してやるというあの時の気持ちが、いまでもモチベーションになっていますね。

——G-SHOCKというブランドに共感する部分はありますか?

G-SHOCKは、イメージを損なわずに新しいなにかに挑戦することを、絶えず世界中のファンから求められていると思うんです。例えばいま、G-SHOCKのイベントがカッコ悪いはずがないと多くの人が感じているのは、ずっと、そうした期待に応えてきたからだと思います。それはぼくたちも同じで、BMXを見ている人の期待に応えていきたい。そうした部分に共感していますね。

——REAL TOUGHNESSというイベントにどのような気持ちで参加していますか?

それぞれの分野のトッププロが集まる場というのは、なかなかないですよね。ひとりの男として、お客として、一流のダンスやスケートを見ているのはすごく楽しい。そして、自分たちの番になったら今度は負けてられないって気持ちになります。“BMXむちゃくちゃイケてるよ!”ってお客さんに思わせたいです。

——BMXを見に来た以外のお客さんも巻き込みたい?

ダンスが好きな子供たちや、ストリートカルチャー自体をあまり知らないお客さんに“BMXのコンテストに来てください”っていっても、まず来てもらえないですから。フラットランドという競技を知ってもらうチャンスですよね。ちょっとしたきっかけで興味をもってくれる人が増えたらいいなって思います。ぼくが高校生だったころ、スケボーを見に行ってBMXを始めたみたいに(笑)。もちろん、その逆もしかりですよね。

——4月にアメリカで開催されたワールドサーキット第1戦"JoMoPro 2012"では世界タイトルを取りましたが、7月に神戸で行われるワールドサーキット第2戦に向けてひとこと。

1戦目もそうだったんですが、2戦目もかなりタイトなスケジュールのなかで出場します。コンディションを整えつつ、いまのモチベーションを保ったまま戦いに臨めればと思います。

Yohei Uchino

アメリカ中部のミズーリ州ジョプリンで行われた、2012年のワールドサーキット第1戦JoMoPro。内野が優勝を果たしたというニュースは世界中のBMXライダーの耳にすぐさま拡がった。